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やりたいことがわからないとき 繰り返してきた行動から転職の軸を言語化する

「やりたいことがわからない」と感じるときの整理のしかたをまとめました。新しく探すのではなく、会社や職種が変わっても繰り返してきた行動から拾い直す4つの問いと、適性検査の結果を仮説として使う考え方を紹介します。

「やりたいことがわからない」という言葉は、キャリアの話をしていると本当によく出てきます。転職を考え始めたものの、志望する業界も職種も浮かばない。求人を眺めても、どれも悪くはないけれど特に惹かれない。かといって今のままでいいとも思えない、という状態です。

このとき多くの方が、まだ知らない仕事のどこかに答えがあると考えて、情報を集めに行きます。業界の解説を読み、職種の一覧を見て、知り合いの話を聞く。それ自体は悪いことではありません。ただ、選択肢が増えるほど決められなくなることもあります。知らない仕事の名前が増えても、自分が何に反応するのかは増えないからです。

この記事では、やりたいことを新しく探すのではなく、これまで繰り返してきた行動から拾い直すという見方を整理します。具体的な問いと手順、そして適性検査の結果の使い方までを扱います。

やりたいことは、すでに何度も顔を出している

本当にやりたいことは、意識して選んでいることよりも、無意識のうちに差が出てしまう行動のパターンに現れる、という見方があります。状況や立場が違っても、気づけば同じことをしている。頼まれていないのに手を出してしまう。そういう繰り返しです。

繰り返し出てくるということは、自分がそこに高い価値を置いている証拠だと考えられます。だとすれば、やりたいことを見つける作業は、未知の世界を探索することよりも、過去の棚卸しに近くなります。

  • 会社も職種も変わったのに、いつも散らばった情報を整理して仕組みにする役回りになっている
  • 新しい取り組みの立ち上げの話が出ると、内容を確かめる前に手を挙げている
  • 自分の数字より、新しく入った人が立ち上がる様子を見ている時間のほうが楽しい
  • 誰も見ていない細部の抜け漏れが気になって、結局自分が直している

こうした行動は、履歴書に書ける実績にはなりにくいものです。ただ、職種名や会社名よりも、その人が何を大事にしているかをよく表しています。

よくあるつまずき 立派な言葉ほど、自分のものか見分けづらい

やりたいことを言葉にしようとすると、多くの方が最初に「人の役に立つ仕事をしたい」「社会に意味のあることをしたい」といった言葉にたどり着きます。これが本心であることは十分にあります。一方で、学生時代の面接や社内の評価の場で求められてきた言葉を、そのまま借りている場合もあります。

見分けるときは、「やらなければと思っていること」と「放っておいてもやってしまうこと」を分けて考えると整理しやすくなります。前者は、どこかで誰かから受け取った期待かもしれません。後者は、止められてもやってしまったことなので、自分のものである可能性が高くなります。

同じように、次のような言葉も仮説として扱ってみる価値があります。

  • 「未経験だからこの領域は無理だと思う」
  • 「年齢的にもう遅い」
  • 「自分はこの職種しかできない」
  • 「準備が整ったら動こうと思っている」

これらは事実の報告のように聞こえますが、過去にどこかで言われた言葉が、いつのまにか自分の前提になっていることもあります。「それは本当に事実なのか、それとも自分の前提なのか」と一度置き直すだけで、見える範囲が変わることがあります。

もう一つのつまずきは、手順まで細かく見えている目標を、やりたいことだと思ってしまうことです。「数年後に今の職種の管理職になる」のように、達成のやり方が最初から想像できるものは、今見えている延長線上にあります。それが悪いわけではありません。ただ、今の視界の外にあるものを探す手がかりにはなりにくい、ということです。

明日からできる整理のしかた 4つの問い

紙でもメモアプリでもかまいません。思い出せる範囲で書き出してみてください。きれいにまとめる必要はありません。

問い1 信頼している人に言われたのに、どうしてもそうできなかったことは何か

上司、先輩、親など、自分に指示する立場にある人が、良かれと思って「こうした方がいい」と言ってくれた。けれど、どうしてもそうできなかった、聞き流した、結局別の道を選んだ。そういう場面を思い出してみます。

ここに、自分の譲れないものが出ていることが多いと言われます。思い出しにくいときは、これまでの上司や指導してくれた人をまず全員書き出し、影響が大きかった人に印をつけ、その人から止められたことや禁じられた言い方を書き出す、という順番が進めやすいです。

注意点は、その人への不満や人物評を書くのではないことです。「あなたのためを思って」と言われた助言のうち、自分には合わないと感じたものを書く、という整理です。

問い2 会社や職種が変わっても、結局いつも同じことをしていないか

これまでの職場を並べ、自分が実際にやっていたことを並べます。肩書は違っても、やっていた中身が同じであれば、それが繰り返しのパターンです。

問い3 今の仕事で得意なこと、好きなことを、学生時代や趣味でもやっていたか

仕事の中だけで成立していることは、環境が与えた役割かもしれません。学生時代にも、仕事以外の場でもやっていたのなら、再現性が高いと考えられます。

問い4 条件として挙げているものは、何を大事にしている表れか

年収、リモート、安定。これらを挙げること自体は自然です。ただ、同じ「安定」という言葉でも、人によって中身が違います。腰を据えて一つのものを改善し続けたいのか、方針が頻繁に変わらないことなのか。条件の奥にある重視しているものまで降りると、求人の見え方が変わります。

昔と同じ形で再現しなくてかまわない

繰り返してきた行動を拾い直すと、「でも、それは学生の頃の自分がやっていたことで、今やりたいこととは違う」と感じることがあります。

やりたいことは、年齢とともに質感が変わっていくという見方があります。若い頃は自分が面白いかどうかが中心で、経験を重ねると、他の人が伸びていくのを見ることが楽しくなるなど、少しずつ他者が入ってきます。中身は同じでも、現れる形が変わるということです。ですから、過去の行動を同じ形でもう一度やろうとしなくてかまいません。取り出すのは形ではなく中身です。

あわせて、今自分がどの段階にいるかも見ておくと整理しやすくなります。自分でできることを増やしていく段階と、誰かのために使う段階は、どちらが上ということではありません。前者をやりきっていないうちに、後者を急いで掲げる必要はないと考えています。「まず年収を上げたい」「専門性を積み上げたい」は、この段階として自然な願いです。年収は結果として動く面もあるため、やりきれる場所を選ぶという発想のほうが、遠回りに見えて近いことがあります。

適性検査や他者の言葉は、結論ではなく仮説として使う

自分の繰り返しは、自分からは見えにくいものです。日常になっているほど、意識にのぼりません。そこで、外から言い当てる道具として適性検査を使う方法があります。

ここで気をつけたいのは、結果をそのままラベルとして受け取らないことです。「自分は〇〇タイプ」と覚えて終わると、自己紹介の言葉が一つ増えるだけになります。おすすめしたいのは、結果を問いに変換することです。

  • 「この傾向が強い人は、こういうことを大事にすると言われている。自分はどうだろうか」
  • 「この傾向の人は、現職でこういうモヤモヤを持ちやすいらしい。自分に心当たりはあるか」

当たっていると感じたら、そこから自分の言葉で現職の不満を言い直してみます。たとえば、チームでの達成や感謝されることに反応する傾向が出た方が、「今の職場は個人で数字を追う色が強く、誰のためにやっているのかが見えにくい」と気づく。筋道を立てて整理することに反応する傾向が出た方が、「昔からこうだからで進んでいて、仕組みにできる余地が放置されている」と言葉にする。

そして、言葉になった不満を裏返すと、転職の軸になります。前者であれば「チームで成果を追える」「貢献している相手が見える」。後者であれば「データや筋道をもとに決められる」「仕組みそのものを変えられる」。転職理由の裏返しが、会社を選ぶときの軸になるという考え方です。

結果が当たっていないと感じた場合も、情報になります。「違う」と感じた理由を言葉にすると、自分が何を大事にしていないかがはっきりします。

言葉になったかどうかは、時間の使い方に出る

整理ができたサインは、きれいな一文ができたことではありません。その後の時間の使い方が変わったかどうかです。

調べる対象が変わる。会う人が変わる。学ぶことが変わる。面接の日程を押さえる。そうした変化が起きていれば、言葉が自分のものになっている可能性が高いです。逆に、整理した翌週も時間の使い方がまったく同じなら、言葉が借り物のままか、方向が本当に自分のものではないのかもしれません。

変化を起こしやすくする小さな方法として、日程を先に決めてしまう、誰かに話してしまう、というやり方があります。人に言うと責任が生まれ、同じ情報の中から目に入るものが変わります。

よくあるご質問

繰り返してきた行動が、ただ得意なだけ、慣れているだけのように思えます

できることとやりたいことは、重なることも多いですが別のものです。見分けるときは再現性を見ると整理しやすくなります。会社も立場も違う場面で出てくるか、仕事以外の場でもやっていたか。環境が変わっても出てくるのなら、慣れや役割ではなく、自分から出てきているものと考えられます。できることは後から何とかなる部分が大きいので、選ぶ軸にするのはやりたいことのほうだという見方があります。

「人の役に立ちたい」が本心なのに、借りた言葉だと決めつけられるのは納得できません

否定ではありません。本心であることは十分にあります。見ておきたいのは、その言葉がどの経験から出てきたのかという具体性です。実際に誰かの立ち上がりに関わって手応えがあった、感謝された場面を覚えている。そういう裏づけがあるなら、それは自分の言葉です。逆に、裏づけを思い出せないまま掲げている場合は、面接でも深く話せません。そのときは、自分でできることを増やす段階として軸を組み直すほうが、結果として本心にも近づきます。

一人で書き出しても、どれが大事なのか判断できません

自分の繰り返しは、自分にとっては当たり前になっているので、見えにくいのが普通です。書き出したものを誰かに読んでもらい、「同じことが何度も出ている」と外から指摘してもらうと気づきやすくなります。Staneer Agent では、適性検査の結果を仮説として置きながら、対話の中で繰り返しを拾い、ご本人の言葉で軸にしていく進め方をしています。

まとめ

やりたいことは、まだ知らない仕事の中から探し出すものというより、これまで何度も顔を出してきた行動から拾い直すものだという見方があります。信頼する人に言われたのにできなかったこと、会社や職種が変わっても結局やっていたこと、仕事の外でもやっていたこと。この3つを書き出すだけでも、手がかりは集まります。立派な言葉が出てきたら、自分の言葉か借りた言葉かを一度仮説として扱ってみてください。適性検査の結果も、ラベルではなく問いに変えると使い道が広がります。整理できたかどうかは、言葉のきれいさではなく、その後の時間の使い方に表れます。転職するかどうかを決めていない段階でも、この整理を誰かと一緒にやってみる選択肢はあります。

タグ:やりたいこと価値観の言語化キャリアの軸適性検査自己分析

この記事について

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編集:Staneer株式会社 掲載日:

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